「呪いの人形」と言ったら、ホラーの王道ですよね!
やっぱり王道は強かった~‼というのが、本書の正直な感想です。
しかも、物語の構成力の高さには、納得の恐怖です。
ぜひとも、とにかく怖い小説が読みたい方や「呪いの人形」関係が好きな方は、今すぐ読んで欲しいと思います。
『映画ノベライズ ドールハウス』の基本情報
作品情報
タイトル:映画ノベライズ ドールハウス
著者:夜馬裕
原案:矢口史靖
出版社:双葉社
発売日:2025年4月9日
ジャンル:ホラー、サスペンス、ミステリー、映画ノベライズ
映画:2025年6月13日公開、主演は長澤まさみさん
著者情報
夜馬裕(やまゆう)さんは、1975年生まれの兵庫県出身です。
怪談師と作家として活動しています。
竹書房Presents 怪談最恐戦という、「日本で一番恐い怪談を語るのは誰だ!?」をテーマにした大会で、見事優勝しています。
YouTubeでも夜馬裕さんの怪談を聴くことができるので、一度聴いて欲しいのですが、トークが本当に上手なんです。
作家として、共著が多いですが、『厭談 祟ノ怪』などの単著も多数あります。
そのトーク力、話の構成力の上手さがそのまま作家として、小説に反映しています。
本書も、まるで怪談を聴いているような没入感を最初から最後まで味わえますよ!
あらすじ
5歳の娘が亡くなった……。
それは母・佳恵の心を崩壊させるには十分な出来事であった。
それから、しばらく佳恵の時は止まったままであったが、偶然立ち寄った骨董市でまた時が進みだす。
亡くなった娘の芽衣によく似た可愛らしい人形だ。
人形の力によって、佳恵の心は回復していき、新たな我が子を授かった。
それから娘の真衣が生まれてから、人形の出番はすっかりなくなり、押し入れにしまわれた。
だがしかし、ある日真衣が人形と遊ぶようになってから、家族が不穏に襲われるようになる。
主な登場人物

佳恵
本書の主人公であり、真衣の母。映画では長澤まさみさんが演じています。
娘の死を経験したこともあり、真衣のことはより愛情いっぱいに育てます。
娘の死に、人形による不穏など様々な難題が降りかかります。
忠彦
佳恵の夫で、総合病院で看護師として勤務する。
優しい性格で、妻が心を病んだ時は献身的に支えていた。
やっと訪れた家族の平穏を守ろうと奔走します。
真衣
亡くなった芽衣に比べたら少しヤンチャ。
ある日、物置から人形を見つけて本当の人間と会話するように接しだす。
人形のことを「アヤちゃん」と呼び、四六時中離れない。
そして日増しに言動が狂いだす。
Amazonの評価

夜馬裕さん著の『映画ノベライズ ドールハウス』は、Amazonの星評価4.5と高評価です。
ここでは、実際に本を読んだ方の感想を一部抜粋してご紹介します。
読者の心を掴む高評価レビュー
読みやすい
映画公開の前ですが読んで良かったです。
nao
愛情と恐怖が入り混じる複雑な場面が、とても読みやすい文章で表現されています。
それぞれの人物の視点で描かれていて、各々に感情移入してしまう。
あたたかい気持ちとゾッと震える恐ろしさでホラーを楽しめました。
アナザーストーリーも興味深くて、次の話を読みたくなりました。
やはり「読みやすい」と感じている方は多いですね!
母・佳恵に、娘の真衣というキーになる人物、その他の登場人物からもいかに「呪いの人形」が恐ろしいのか伝わってきます。
私も映画を見る前の予習として読みました。
補完されている場面があり、嬉しい
嬉しいことに、本編は、映画の各場面が、
少しだけ補完されて描かれています。オープニングに、
なぜ長澤まさみは鍵を閉めずに家を出たのか、
その理由がシンプルに説明されていたり、その後の主人公たちのリアクションの、細かな心情など、
なるほど、こう考えていて、そのリアクションだったのかとわかるような、
スパンキー
小さな補完が多く面白いです。
やはり、映画よりも小説の方が描写表現が詳しいようですね!
これは、本書を映画前の予習としても、映画を見た後の復習としても優秀な役割を果たしてくれそうです。
ぜひ『映画ノベライズ ドールハウス』は、順番を気にせず、興味が出た時に読むことをおすすめします。
おすすめポイント

難しい話や感動系など挟まず「ダイレクトな恐さ」を楽しめる
ホラー小説と言っても色んなジャンル、種類がありますよね。
中には考えさせられるホラーや、実は感動系だったなど。時には話が難しすぎて良く分からないことも(笑)
しかし、本書『ドールハウス』は、恐さを求める人に胸を張っておすすめできます。
まさに恐さをダイレクトに味わえます。
話の内容に無駄がなく、最初から最後まで素晴らしい構成です。
何があっても「離れない」呪いの人形
本書は「呪いの人形」の王道的ストーリーです。
王道であっても新鮮な恐怖を味わえるからすごい。
捨てても、気づいたらそこにある。
「なぜ戻ってくるの⁉」「どうやって戻ってくるの⁉」
すべては本書で明かされます!
人形の手に負えなさが物語が進むたびに思い知らされる
捨てても戻ってくる人形は、佳恵たち家族の手には負えません。
警察や住職、人形供養の専門家。
色々な関係者の力を借ります。
さすがに他の人の手を借りたら安心ですよね。
ぜひ本書をお手に取って、佳恵たち家族の平穏を祈りながら読んで欲しいと思います。
【ネタバレなし】本書を読んだ感想

ちゃんと恐いホラー小説だった
私が考える「ちゃんと」とは、感動系だったり、よく分からない話で恐さが半減するような展開がないことです。
つまり、『ドールハウス』はえげつない恐さだった…。
人間が思わず恐いと思うであろう、嫌なポイントをジャストでついてきます。
完全に〇〇だと思ったら人形だったという展開がかなり嫌ですね。
上質な怪談を聴いているような面白さや恐さを味わえた
怪談師による怪談話を聴いたことがある人は分かるかもしれません。
あのテンポの良い話し方、最初から最後まで良くまとまった構成力。
まるでベテランの怪談師が、何時間もかけて語ってくるような満足感を得られました。
それも著者が、トップレベルの怪談師だから本書にもその魅力が現れたのだと思います。
切っても切れない人形との縁に恐怖
何度捨てても戻ってくる呪いの人形って、怖い話が好きな人にとってあるあるですよね!
本書『ドールハウス』はその王道を正面から楽しめます。
思わず「なんで⁉」という展開や恐怖で声が漏れ出る個所の多さといったらもう……。
私の娘が持っている人形すらも不気味に感じてしまいます。現実でこんな展開がないことを祈るばかりです。
Audibleの唸り声に絶叫した
『映画ノベライズ ドールハウス』は、Audibleで聴きました。
耳で聴く読書なので、より怖さを楽しめました。まさに五感に響きわたる恐怖です。
特に唸り声などが本当に嫌だった‼
苦しいような、憎しみがこもったような唸り声のナレーションは圧巻です‼
とことん恐さを味わいたいと、夜中に一人洗濯物を干しながら聴いていました。
浅はかな行為だったと言わざるを得ません。
タイミングよく唸るもんですから、途中で聴くのをやめましたよ(泣)じんわりと嫌な汗を、額や背中にかきました。
こういう体験をまさに「背筋も凍る」というのでしょうか。褒め言葉で気持ち悪かったです。
暑い夏に最高の恐怖体験でした。
こんな人におすすめ

純粋に恐い小説を読みたい人
「背筋が凍る恐怖体験を味わいたい‼」
そんな純粋な恐怖を求めているあなたに本書『ドールハウス』は絶対におすすめです。
途中でわき道にそれることなく、ダイレクトに恐怖を味わえますよ。
怪談話が好きな人
特に『ドールハウス』の著者である、夜馬裕さんの怪談が好きな人にとって、本書はたまらないと思います。
あの夜馬裕さんのトーク力、構成力、テンポの良さが本書にも現れております。
長めの怪談を求めている方はぜひおすすめですよ。
呪いの人形が出てくるホラー小説が好きな人
ホラーの王道である「呪いの人形」が出てくる物語が好きな人にとって、『ドールハウス』は神作と言えるでしょう。
「こうなったら嫌だな」のてんこ盛りです。
しかも、「呪いの人形の目的」や「どうやって戻ってくるのか」など、ぼかされるシーンをハッキリとさせてくれるのが本作の魅力ではないでしょうか。
このように納得のストーリー展開は、令和版の「呪いの人形」の代表作と言っても過言ではないでしょう。
まとめ:【書評】夜馬裕『ドールハウス』
この記事では、夜馬裕さん著の『ドールハウス』の魅力や正直な感想、みんなの評判をご紹介しました。
- ストレートに恐怖を感じる小説を求めている方
- 呪いの人形系が好きな方
- 『ドールハウス』の映画を見ようと思うorもう見た方
この一つでも当てはまった方に、本書を激推しします!
家にある人形の見方が変わる本書をどうぞお楽しみください。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
なお、『映画ノベライズ ドールハウス』は、Amazonの聴く読書Audibleの聴き放題対象です。
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