秋という季節はどうしてこんなにも感傷的な気持ちになるのでしょうか。
あなたもふと、あの頃のことを思い出したりとノスタルジックな気持ちになることはありませんか。
そんな時は、青春小説の世界にじっくり浸り、かつての自分と登場人物を重ね追体験してみましょう。
きっと忘れられない素敵な一夜になりますよ。
Kindle UnlimitedやAudibleの読み放題対象作品も多数ご紹介します。ぜひ、秋の読書を豊かにする一冊を見つけてみてください。
掲載情報は執筆時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
なぜ秋に青春小説がおすすめなのか?
秋という季節は、青春小説を何倍にも心に響かせる特別な力が宿っています。これから、その3つの理由を紐解いていきましょう。
ノスタルジックな気持ちに浸れるから
涼しく、どこか感傷的になる秋は、自然と昔の自分を振り返る季節です。
学生時代の友人、部活動、淡い恋など、かつての自分と小説の登場人物を重ね合わせることで、あの頃のキラキラした気持ちを追体験できます。
物語に深く没入できるから
長い秋の夜は、物語の世界にじっくりと向き合うのに最適な時間です。
青春小説は登場人物の心の機微や葛藤を丁寧に描いた作品が多く、静かな夜に読むことで、より深く感情移入でき心揺さぶる読書体験が待っています。
心にじんわりと沁みる「エモさ」があるから
「エモい」という感覚は、一言では説明しにくい、特別な感動です。
青春時代には、嬉しかったことや悲しかったこと、ドキドキしたことなど様々な体験をしてきましたよね。青春小説を読むことで、当時の忘れていた記憶が蘇ります。それに、「秋」という季節も合わさり、なんとも言えない特別な感情を抱くことでしょう。
そんな特別な気持ち「エモさ」を楽しめるのが、秋に読む青春小説の醍醐味だと思います。
厳選!秋の夜長に読むべきおすすめの青春小説10選

夜のピクニック
あらすじ
高校の伝統行事「歩行祭」。全校生徒が夜を徹して80キロを歩き通すという、特別な一日を描いた青春群像劇です。主人公の甲田貴子は、ある秘密を清算するためにこの行事に挑みます。親友たちと他愛もない会話を交わしながら歩き続ける中で、様々な感情が交錯し、かけがえのない青春が紡がれていきます。
おすすめポイント
- 派手な出来事は起きませんが、登場人物たちの繊細な心の動きがリアルに描かれており、物語にじっくりと没頭できます。
- 「歩行祭」という非日常的な舞台が、青春の甘酸っぱさや、切ない気持ちを一層際立たせます。
- 読み終えた後には、清々しい感動とともに、高校生活の思い出が蘇ってくるようなノスタルジックな気分に浸れます。
- 2005年に本屋大賞を受賞しています!
おすすめな人
- 静かで、登場人物の心情に深く向き合いたい人。
- 過ぎ去った青春時代の感傷に浸りたい人。
- ゆっくりと時間をかけて、物語の世界観を楽しみたい人。
成瀬は天下を取りにいく
あらすじ
中学二年生の夏、主人公の成瀬あかりは、閉店間近の西武百貨店に毎日通い、ローカル番組の中継に映り込もうと企みます。さらに、お笑いコンビを組んでM-1グランプリに出場したり、高校の入学式には坊主頭で現れたりと、常に周囲の予想を超える行動で「天下」を目指していきます。そんな彼女のまっすぐな生き様を、親友の島崎みゆきの視点から描いた、ユーモアあふれる青春小説です。
おすすめポイント
- 2024年に本屋大賞を受賞!
- 誰にも真似できない、自分の信念をまっすぐに貫く主人公・成瀬のキャラクターが魅力的で、読者に勇気と元気を与えてくれます。
- ユーモアにあふれた軽快な文章で、サクサクと読み進めることができます。読書が苦手な人にもおすすめです。
- 友情や目標に向かって努力する姿が丁寧に描かれており、読み終わった後には心が温かくなり、清々しい感動を味わえます。
おすすめな人
- 日常から少し離れて、心を軽くしてくれるような小説を読みたい人。
- 何かに挑戦する勇気がほしい人。

自分も成瀬みたいに色んな事に挑戦してたらどうなっていたんだろうとか考えちゃいます。
それだけじゃなく、大人になった今からでも挑戦するパワーをもらいました‼
ネタバレなしの書評はこちらです!
【書評】宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』挑戦する勇気が湧いてくる!
君の膵臓をたべたい
あらすじ
クラスでも地味な「僕」が、病院で偶然拾った一冊の文庫本。それは、明るくて人気者のクラスメイト・山内桜良が密かに綴っていた、膵臓の病を患う日々を記した日記帳「共病文庫」でした。彼女の余命がわずかだと知った「僕」は、彼女の秘密を共有する唯一の人物となり、一緒に過ごす中で、生きる意味や死と向き合うことについて考え始めます。
おすすめポイント
- 生きる意味や死生観という重いテーマを、瑞々しい筆致で描き切っています。
- 読者の予想を裏切る展開と、伏線回収の巧みさに引き込まれます。
- 読み終えた後には、タイトルに込められた本当の意味を知り、忘れられない感動が残ります。
おすすめな人
- 涙を流せるような、切ない感動小説を求めている人。
- 普段あまり本を読まない人にもおすすめできる、読みやすい文章の小説を探している人。
アルプス席の母
あらすじ
神奈川で看護師をしていた秋山菜々子は、一人息子の航太郎が大阪の高校へ進学することを機に、ともに大阪へ移り住むことを決意します。甲子園常連校を倒すという息子の夢を支えるため、不慣れな土地での暮らしや、厳しい父母会の掟にも立ち向かいます。夢を追う息子とその夢を支える母の姿を描いた、新たな高校野球小説です。
おすすめポイント
- 「野球が苦手」でも全く関係なく楽しめます。高校野球という題材を通じて、親子の深い絆と、一人の人間としての成長が温かく描かれています。
- 夢に向かってがむしゃらに頑張る彼らの姿は、自分自身の青春時代を思い出させ、読む人に勇気を与えてくれます。
- 読み終えた後には、人生賛歌というにふさわしい、大いなる感動が胸に残ります。
- 「2025年本屋大賞2位!」ですが、私的には1位でした‼
おすすめな人
- スポーツ小説や、家族の絆がテーマの小説を読みたい人。
- 何かに挑戦する人たちから元気をもらいたい人。

野球ファンではない私でも関係なく楽しめました。
学生時代の部活動を思い出すと、母に支えられてたなと懐かしい気持ちが蘇ってきました。
ネタバレなしの熱い書評はこちらです!
【書評】野球嫌いな私が選ぶ2025年本屋大賞!結果は2位でも早見和真『アルプス席の母』は断トツ1位だった
死んだ山田と教室
あらすじ
夏休みが終わる直前、クラスの人気者だった山田が交通事故で命を落とします。しかし、二学期初日、教室のスピーカーから彼の声が聞こえてきて、生徒たちは騒然となります。山田の魂がスピーカーに憑依したと知ったクラスメイトたちと、山田の「声」との奇妙な交流が始まります。
おすすめポイント
- 青春のユーモアと残酷さ、そして優しさが詰まった、まさに金原ひとみさんが「快作」と推薦するにふさわしい作品です。
- 「ダサくて、眩しくて、切なくて」と歴代メフィスト賞受賞者が評するように、青春のすべてが凝縮された物語です。
- 自分の存在意義や生きる意味について、深く考えさせられるテーマが内包されており、秋という内省的な季節に読むのに最適です。
おすすめな人
- 一風変わった設定の青春小説を読んでみたい人。
- 笑えて、泣けて、心に深く残る物語を求めている人。
- 青春時代のほろ苦さや切なさを思い出したい人。

この作品は男子校のむさ苦しい青春が凝縮されています。
女子禁制かもしれません(笑)
ネタバレなしの書評はこちらです。
【書評】金子玲介『死んだ山田と教室』生きているこの瞬間が尊い‼
か「」く「」し「」ご「」と「
あらすじ
何の役にも立たない、少しだけ特別な力を持った5人の高校生。彼らはそれぞれの「かくしごと」を抱えながら、お互いの日常をそっと見守っています。誰にも言えない秘密を共有する中で、彼らの心は少しずつ通い合い、もどかしい想いが芽生えていきます。
おすすめポイント
- 登場人物たちの繊細な心の機微や、知っているようで知らないお互いの想いが、甘酸っぱくも爽やかに描かれています。
- 誰もが経験したことのある「もどかしい気持ち」や、人との繋がりを求める姿に深く共感できます。
- 物語に散りばめられた小さな秘密が、読む人の心を温かく揺さぶります。
おすすめな人
- 登場人物の心情に寄り添いながら読みたい人。
- 友情や、人との繋がりの大切さについて考えたい人。
- 甘酸っぱくて、心温まる青春小説を求めている人。

あの頃の甘酸っぱい青春が蘇ってきますよ!
それに登場人物の中から推しがみつかるかも。
この夏の星を見る
あらすじ
コロナ禍で部活動や合宿が次々と制限される中、星を愛する中高生たちが、リモートで全国へと繋がり、新たな出会いを果たします。茨城の高校生・亜紗、東京の中学生・真宙、長崎の高校生・円華。それぞれが抱える複雑な思いを乗り越え、星を追う中で、哀しさ、優しさ、あたたかさを知っていく物語です。
おすすめポイント
- コロナ禍という誰もが経験したことのある状況を舞台に、中高生たちが抱える葛藤や心の動きがリアルに描かれています。
- リモートで繋がる新しい友情の形や、星空という壮大なテーマが、閉塞感を抱える心に光を灯してくれます。
- 読み終えた後には、哀しさも優しさもすべて含めて、人の感情のすべてを愛おしく感じるような、温かい感動が残ります。
おすすめな人
- 現代の青春小説を読みたい人。
- どこか孤独を感じているけれど、誰かと繋がりたいと思っている人。
- 哀しさの中に、温かさや希望を見出したい人。
宇わたる教室
あらすじ
東京・新宿の都立定時制高校には、さまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていました。負のスパイラルから抜け出せない21歳の青年、学校に通えなかった子ども時代を持つアンジェラ、不登校だった過去を持つ佳純、そして70代の長嶺。彼らは理科教師の藤竹を顧問に科学部を結成し、「火星のクレーター」を再現する実験を始めます。それぞれの人生を背負いながら、再び学び舎で夢を追う人々の物語です。
おすすめポイント
- 「学び直し」という、青春小説としては少し珍しいテーマが、新鮮な感動を与えてくれます。
- 年齢や過去の境遇が異なる登場人物たちが、一つの目標に向かって協力し、成長していく姿に胸を打たれます。
- 科学というテーマを通じて、人生の希望や、人との繋がりの大切さが温かく描かれており、読むたびに勇気をもらえます。
おすすめな人
- 一風変わった設定の青春小説を読んでみたい人。
- 何かをもう一度学び直したいと思っている人。
- 世代を超えた友情や、人の温かさに触れたい人。
何者
あらすじ
就職活動に臨む5人の大学生。彼らは、情報交換のために同じアパートに集まるようになります。しかし、SNSでつながる彼らのやりとりは、表面的なものとは裏腹に、それぞれが抱える本音や自意識を次第に暴き出していきます。就活というフィルターを通して、彼らの関係が少しずつ変化していく様子を描いた、現代の青春群像劇です。
おすすめポイント
- 誰もが経験したことのある「自分は何者なのか」という問いを、就職活動という現代的な舞台で鋭く描き切っています。
- SNSを巧みに利用した構成が、登場人物たちの葛藤や虚栄心をリアルに浮き彫りにします。
- 読み進めるうちに、彼らの言葉の裏にある感情を読み解くミステリーのような面白さがあり、一気に引き込まれます。
おすすめな人
- 就職活動中の人や、将来に漠然とした不安を抱えている人。
- 現代社会に生きる若者の心理を深く知りたい人。
- 読み応えのある、考えさせられる小説を求めている人。

読書で「考えさせられる」とはまさにこのこと。
大学生は大人だけど、まだ大人になりかけであり、将来に向けて悩みぬく姿に共感しました。
ノルウェイの森
あらすじ
1969年、大学生の「僕」は、死んでしまった親友の恋人だった直子と再会します。互いに深い喪失感を抱える二人は惹かれ合いますが、直子は精神の病を抱え、療養生活を送ることになります。一方、「僕」は同じ学部の緑と出会い、明るさに救われます。喪失と再生、そして欠落を抱える若者たちの姿を、静謐な筆致で描いた物語です。
おすすめポイント
- 村上春樹の瑞々しく、どこか感傷的な筆致が、秋の雰囲気にぴったりです。
- 恋愛、死、そして孤独という普遍的なテーマが、若者の繊細な心を通じて描かれており、大人の読者にも深く響きます。
- 読み終えた後には、深い余韻が残り、自分自身の青春時代を振り返りたくなるような読書体験が待っています。
おすすめな人
- 文学的な香りの高い、読み応えのある小説を探している人。
- 青春時代に味わった、甘く切ない感情を思い出したい人。
まとめ:秋は青春小説を読んで特別な感情「エモさ」を存分に楽しもう
この記事では、秋におすすめの青春小説を10冊に厳選してご紹介しました。
秋の夜長という特別な時間×青春小説は、いつもとはまた違った感情を楽しむことができます。
あの頃を思い出すノスタルジーさがなんとも言えない「エモさ」をもたらしてくれます。
ぜひ、あなたにもこの特別な読書体験を味わってほしいと思います。
また、この記事で紹介した作品の一部は、電子書籍やオーディオブックの読み放題の対象です。
特に、聴く読書はナレーション力も加わり、より作品を楽しむことができますよ。この秋、ぜひ新しい読書体験を試して、あなたの読書ライフをより豊かにしてみましょう。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
サービス | 特徴 |
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青春の次は、甘酸っぱい恋の物語を。

秋におすすめの小説は、青春小説だけではありません。
センチメンタルな気分になりやすいこの季節は、人恋しい季節でもあります。
そんな時に恋愛小説は、あなたの心に寄り添ってくれます。
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