読書の秋、そして芸術の秋。この二つの季節の楽しみを同時に味わえるのが、アートをテーマにした小説です。
ページをめくるたび、美術館の情景や、画家たちの情熱が鮮やかに浮かび上がってくる…。アート小説は、単に知識を得るだけでなく、物語を通して絵画や音楽、芸術家たちの人生に深く触れ、あなたの感性を豊かにしてくれるでしょう。
この記事では、読めばきっと心が豊かになる、珠玉のアート小説を10冊厳選しました。芸術の世界に飛び込む、最高の読書体験をお楽しみください。
Kindle UnlimitedやAudibleの読み放題対象作品も多数含んでいるので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
掲載情報は執筆時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
なぜ秋にアートがテーマの小説がおすすめなのか?
「読書の秋」であり「芸術の秋」でもあるこの季節。二つの秋を同時に満たしてくれるのが、アートがテーマの小説です。
秋だからこそ、アート小説を読んでほしい。その理由は以下の3つです。
感性を豊かにしてくれるから
夏の賑やかさが去り、静けさが増す秋は、ゆっくりと自分と向き合うのに最適な季節です。アート小説は、物語を通して絵画や音楽、写真といった芸術に触れることで、普段は意識しない感性を磨き、心を豊かにしてくれます。
楽しみながら教養が身につくから
アート小説の中には、実在する芸術家や歴史的な背景が描かれているものが多くあります。物語を読み進めるうちに、自然と美術史や音楽史の知識が身につき、美術館巡りやクラシック鑑賞がもっと楽しくなるでしょう。
作品をより深く味わえるようになるから
芸術家たちの創造の苦悩や、一つの作品に込められた情熱、そして人間関係のドラマ。小説を通して作品の裏側にある物語を知ることで、目の前にあるアート作品をこれまでとは全く違う視点で見ることができるようになります。
厳選!秋の夜長に読むべきおすすめのアートがテーマの小説10選

線は、僕を描く
芸術テーマ:水墨画
あらすじ
交通事故で家族を亡くし、絶望の中で生きていた大学生の青山霜介は、バイト先で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会い、強引に弟子入りすることになります。水墨画の経験が全くない霜介は、周囲の反発を受けながらも、新たな世界に足を踏み入れていきます。
おすすめポイント
- 墨の濃淡や筆遣いといった水墨画の世界が、まるで目の前に広がるかのように繊細に描かれています。
- 悲しみから立ち直り、新たな一歩を踏み出す主人公の姿に、読む人はきっと勇気づけられます。
- 芸術の道で生きる人々の情熱や葛藤が丁寧に描かれ、深い感動と心の豊かさを与えてくれます。
- 2022年に横浜流星さん主演で映画化されました。
- 2020年の本屋大賞第3位、ブランチBOOK大賞2019を受賞しています。
おすすめな人
- 喪失感を抱えている主人公の再生の物語を読みたい人。
- 芸術に触れるきっかけがほしい人や、水墨画の世界に興味がある人。
- 静かで心温まる物語で、心のデトックスをしたい人。

水墨画を描いている場面が容易に想像できます!
そんな臨場感を楽しめる作品です。
楽園のカンヴァス
芸術テーマ:絵画
あらすじ
ニューヨークのキュレーター、ティム・ブラウンは、ルソーの名画「夢」に酷似した絵の真贋鑑定を依頼されます。7日間という制限の中、彼は日本の研究者・早川織絵と競い合いながら、謎を秘めた古書を頼りに真実を追うことに。
おすすめポイント
- ルソーとピカソ、二人の天才画家の人生や想いが、物語の中で鮮やかに描かれています。
- 芸術の知識がなくても楽しめる、本格的なアート・ミステリーとして知的好奇心をくすぐります。
- ラストに明かされる真実と、絵に込められた深い感動が、読後も心に強く残ります。
おすすめな人
- 絵画や美術館に興味があるけれど、何から読めば良いか分からない人。
- 知的な謎解きを楽しみたいミステリー小説のファン。
- 歴史の裏側にあるロマンや、芸術家の情熱に触れたい人。

物語が楽しいだけじゃなく、アートの勉強にもなります。
「読書の秋」と「芸術の秋」が見事に融合された作品です。
赤と青とエスキース
芸術テーマ:絵画
あらすじ
メルボルンに留学中の女子大生レイが「期間限定の恋人」と出会う物語や、額縁職人が「エスキース」という絵に心を動かされる物語など、一枚の絵をめぐる五つの愛の物語が連作形式で描かれます。異なる物語が一つに繋がる時、奇跡のような真実が現れます。
おすすめポイント
- 物語の断片が少しずつ繋がり、全体像が見えた時に「二度読みしたくなる」ような感動と驚きがあります。
- 絵画や芸術の専門知識がなくても、それぞれの物語に込められた温かさや切なさを楽しめます。
- 異なる時代や場所に生きる人々の愛の形が、短編ごとに繊細に描かれています。
おすすめな人
- 短編小説が好きで、隙間時間にサクッと読書を楽しみたい人。
- 読後に温かい気持ちになりたい人や、感動的な物語を探している人。
- 芸術にまつわる優しい物語を読んでみたい人。

文章も芸術的だし、泣けるしで、この秋絶対読んで欲しい芸術と愛の小説です。
蜜蜂と遠雷(上下巻)
芸術テーマ:ピアノ
あらすじ
若手ピアニストの登竜門として知られる芳ヶ江国際ピアノコンクールに、自宅にピアノがない少年、かつて天才少女と呼ばれたもののブランクがある青年、楽器店で働くサラリーマン、そして完璧な技術を持つ優勝候補の天才が集います。競争という名の自分自身との闘いが、今、幕を開けます。
おすすめポイント
- ピアノの音色が活字から聞こえてくるような、圧倒的な音楽描写が読者の五感を刺激します。
- 天才ピアニストたちの葛藤や成長が丁寧に描かれ、読み終えた後も深い感動が残ります。
- 芸術にかける情熱と才能の残酷さを描きながらも、読む人に大きな希望を与えてくれます。
おすすめな人
- 音楽が好きな人や、音楽をテーマにした小説を読んでみたい人。
- 夢や目標に向かって努力する人々の物語に触れたい人。
- 読むと心が震えるような、深く感動できる作品を探している人。

ピアノが聴こえてくる‼‼
これは心を揺さぶる傑作です!
読み終わったら、スピンオフの祝祭と予感もぜひ読んでください。
羊と鋼の森
芸術テーマ:ピアノ
あらすじ
高校時代にピアノ調律師と出会い、その仕事に魅せられた外村青年。ピアノを愛する姉妹や温かい恩師との交流を通して、彼は調律師として、そして一人の人間として成長していきます。言葉では伝えきれない「音」を追求する彼の姿を、静謐な筆致で描いた物語です。
おすすめポイント
- ピアノの調律というテーマを通して、登場人物たちの心情や葛藤が繊細に描かれています。
- 読むと心が洗われるような静けさと、温かい感動があり、秋の夜長にじっくりと読書を楽しめます。
- 豪華俳優陣で映画化もされた名作で、小説の世界観をさらに深く味わうことができます。
- 第13回本屋大賞を受賞しています。
おすすめな人
- 静かで心温まる物語を探している人。
- 夢や仕事について、真剣に向き合いたいと思っている人。
- ピアノやクラシック音楽に興味がある人。

ピアノの調律師の物語です。
心が洗われる、爽やかな読後感が最高でした。
チョコレートコスモス
芸術テーマ:演劇
あらすじ
才能あふれる天才女優・響子と、芝居を始めたばかりの地味な少女・飛鳥。二人の女優は、伝説のプロデューサーが開く異色のオーディションに挑みます。舞台の奥にある真実を求め、互いの才能をぶつけ合う少女たちの、熱い戦いを描いた演劇ロマンです。
おすすめポイント
- 演劇という華やかな世界の裏側にある、女優たちの情熱や葛藤がリアルに描かれています。
- 異なる個性を持つ二人の主人公が、互いを高め合う姿は、読む人に大きな感動と共感を与えます。
- 舞台や芝居に興味がない人でも、物語の熱量に引き込まれ、最後まで一気に読み進めることができます。
おすすめな人
- 夢や目標に向かって努力する人々の物語を読みたい人。
- 熱い青春群像劇や、ライバル同士の切磋琢磨を描いた物語が好きな人。
- 演劇や映画の世界に興味があり、その裏側を覗いてみたい人。

読んですぐ没入。
登場人物の描写に引き込まれ、映画を1本見たかのような気持ちになりました。
ラブカは静かに弓を持つ
芸術テーマ:音楽
あらすじ
少年時代の事件から心の傷を抱えて生きてきた橘は、音楽教室への潜入調査を命じられます。身分を偽り、チェロ講師の浅葉のもとに通い始めた彼は、師や仲間との出会い、そしてチェロを奏でる喜びによって、次第に閉ざしていた心を開いていきます。
おすすめポイント
- 音楽教室という舞台で繰り広げられる、スパイと音楽という異色の組み合わせが読者を惹きつけます。
- チェロの音色や演奏の様子が繊細に描写されており、活字を通して美しい音楽を聴いているかのような感覚を味わえます。
- 傷を抱えた主人公が、音楽の力で心を回復させていく物語は、読む人に深い感動と希望を与えてくれます。
- 2023年本屋大賞2位を受賞するなど、数々の賞を受賞しています。
おすすめな人
- 音楽や芸術をテーマにした、一味違うミステリーを読みたい人。
- 心理描写が細かく、登場人物の心の動きを丁寧に追いたい人。
- 読後に温かい感動と、希望を感じられる物語を探している人。

設定が面白いですね!
音楽教室に潜入する目的とは?
ダ・ヴィンチ・コード(上中下巻)
芸術テーマ:絵画、美術史
あらすじ
ルーヴル美術館で館長が奇妙な死体で発見されます。その死体は、レオナルド・ダ・ヴィンチの素描を模したものでした。容疑者とされたハーバード大学の教授ラングドンは、館長の孫娘で暗号解読官のソフィーと共に、死体が残した謎の暗号を追うことになります。
おすすめポイント
- 美術史やキリスト教の知識を交えながら、ページをめくる手が止まらなくなるスリリングな物語が展開されます。
- 芸術作品に隠された暗号や謎を解き明かす知的興奮を、まるで自分が主人公になったかのように味わえます。
- 全世界で大ヒットした有名作なので、読書の話題を広げたい方にもおすすめです。
おすすめな人
- ミステリー小説や、歴史の謎をテーマにした物語が好きな人。
- 芸術や宗教に関する知識を、物語を通して楽しく身につけたい人。
- 映画や海外ドラマのように、スケールの大きな物語を読みたい人。

映画を見ただけで満足しちゃいけないぜ‼
存在のすべてを
芸術テーマ:写実画家
あらすじ
30年前に発生した誘拐事件。当時、事件を追っていた新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の今を知ります。再取材を進める中で、ある写実画家の存在が浮かび上がり、事件の意外な真実へと迫っていく物語です。
おすすめポイント
- 誘拐事件というミステリー要素と、写実画家の「実」を追求するアートのテーマが融合した重厚な物語です。
- 圧倒的な取材力と筆致で、読者を物語の世界へと深く引き込み、読み応えのある体験ができます。
- 人間の本質や、人生の希望といった深いテーマが描かれており、読後に大きな感動と余韻を残します。
おすすめな人
- 『罪の声』のような、社会派ミステリーやノンフィクションタッチの小説が好きな人。
- 読むと深く考えさせられるような、骨太な物語を探している人。
- 絵画や芸術の持つ、心を揺さぶる力に触れたい人。

正直言って、読み応えのある作品です。
秋の夜長にこそ集中して読んで欲しいです。
読んで損なしの感動があなたを待っています‼
ピカソになれない私たち
芸術テーマ:芸術家
あらすじ
国内唯一の国立美術大学の油画科に通う、望音、詩乃、太郎、和美の4人。彼らは天才的な才能を持つわけではない自分たちの未来に不安を感じながらも、芸術家としての道を模索していました。そんな彼らの葛藤は、過去に起きたアトリエ放火事件の噂によって新たな局面を迎えます。
おすすめポイント
- 才能を持つ者だけが生き残る芸術の世界の、厳しくもリアルな現実が描かれています。
- 芸術家を志す美大生たちの、才能に対する苦悩や葛藤に共感し、心を揺さぶられます。
- 芸術というテーマを通して、夢に向かって懸命に努力する青春の姿を、丁寧に描いています。
おすすめな人
- 夢や目標を追いかける人々の青春群像劇が好き。
- 芸術の道を目指す人々の、リアルな心情に触れたい。
- 才能や努力の意味について、深く考えさせてくれる物語を探している。

ブルーピリオドが好きな人は、没入間違いなし!
まとめ:芸術の秋はアートをテーマにした小説で心を豊かに
この記事では、秋におすすめのアートをテーマにした小説を10冊に厳選してご紹介しました。
音楽や演劇、絵画など様々な芸術をテーマにした作品たちでした。
これらの芸術に触れることで、まだ出会ったことがないあなたに、出会えるかもしれません。
小説もまた立派な芸術です。
この秋、アートをテーマにした小説で、人生をより豊かにしてみませんか。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
サービス | 特徴 |
---|---|
【公式はこちら】 ▷Kindle Unlimited | ・500万冊以上が読み放題 ・ベストセラーから話題の新刊まで、豊富なジャンルが楽しめる ・30日間無料体験あり |
【公式はこちら】 ▷オーディブル | ・20万冊以上が聴き放題 ・プロの声優や俳優による朗読で、物語の世界に浸れる ・30日間無料体験あり |
アートをテーマにした小説の次は、グルメ小説を。

芸術の秋を楽しんだ次は、『食欲の秋』も楽しんでみませんか。
アートをテーマにした小説では、まるでピアノの演奏が聴こえてくるような体験をできたかと思います。
グルメ小説は、味や匂い、美しい見た目の料理など、まさに五感を刺激される読書体験を楽しめます。
芸術の秋で感性を磨いたら、グルメ小説で五感を刺激しませんか。