さくらももこさんの爆笑エッセイ3部作の2巻目です!
前作の「もものかんづめ」はひたすら爆笑でしたが、2作目の『さるのこしかけ』は、さくらももこさんの感性に感動しました。もちろん笑いどころもあったのですが、色々と感情を揺さぶられた一冊でした。
この記事では、『さるのこしかけ』について以下のポイントを徹底解説します。
文庫化から時を経てもなお、多くの読者に愛され続けるこの一冊の魅力をお届けします!
『さるのこしかけ』はこんな人におすすめ
- 最近、心から笑っていないと感じる人: 難しいテーマや重いストーリーに疲れて、何も考えずに笑いたい人。
- 日常の視点を変えたい人: ユーモアと独自の観察眼によって日常に笑いや感動で感情を揺さぶられたい人。
- 短時間で読書を完結させたい人: 忙しい毎日の中で、気軽に読める面白い一冊を探している人。
基本情報
作品情報
タイトル:さるのこしかけ
著者:さくらももこ
出版社:集英社
発売日:2002年3月20日
ジャンル:ユーモア・エッセイ、自伝的エッセイ、文学
著者情報
さくらももこさんの著者情報は、『もものかんづめ』の書評記事で詳しく書いています。
こちらをご覧ください♪
概要
『さるのこしかけ』は、さくらももこさんの日常と過去をユニークな視点で切り取った、抱腹絶倒の傑作エッセイです。
収録されているエピソードは多岐にわたり、「小学生時代の間抜けで愉快な思い出」のような誰もが共感できる身近な話から、漫画家デビュー後に体験した「予測不能なインド珍道中」といったスケールの大きな旅の話までを収録しています。
さらに、著者が直面した「痔との格闘」という非常にパーソナルで恥ずかしいテーマにも、さくらももこ節のユーモアと正直さで真正面から向き合い、読者を笑いと共感の渦に巻き込みます。巻末には、映画監督・周防正行さんとの貴重な対談も収録された、充実の一冊です。
【感想】人生のすべてが笑いの種に!さくらももこの魅力的な「視点」と「体験」
『さるのこしかけ』というタイトルの決め方に爆笑
「さるのこしかけ」って何だろう?
調べてみたら木に生えているキノコの種類だと分かりました。
だからと言って、タイトルが『さるのこしかけ』になった理由が分からない。
しかし読み進めていたら唐突にタイトルを決めた理由が明らかに!(笑)私が真剣に考えていた時間を返してほしい。さくらももこさんらしい決め方と、最後のオチが毎度癖になりますね。
ぜひ本書を読んで、タイトルを『さるのこしかけ』にした逸脱な理由をご覧ください。
さくらももこさんの綺麗な心と感性
爆笑エッセイと言われているのに、ある話で感動しました。
さくらももこさんが小学生の時、特殊学級に転校生が来ました。その子は発達障がいであり周囲の子は、面白半分な関わり方をしていました。しかし、さくらももこさんだけは違ったんです。
周りの子に何を言われても反応しない様子を、「彼は中心を持っている」と受け止め、次第に尊敬するようになります。
一番心に残った場面は、彼の作品に対するさくらももこさんの反応です。私たちは、目に見える景色や音などの情報を成長と共に取捨選択が上手になります。しかし発達を持っている子は、情報の選択が難しく、多く拾ってしまうのです。
その彼だからこそ作ることができた作品と、その作品に対するさくらももこさんの感性にボロボロと泣かされました。
こういう綺麗な心があるからこそ、繊細なセンサーで何気ない日常を笑いにも感動にもできるのだと思いました。しかし、この本の魅力は感動や笑いだけでなく、驚愕の人体実験も含まれています。
健康オタクによる人体実験に興味津々
前作の終わりに、「ドクダミも治療に使えるのでは?」と企んでいた描写がありましたが、見事に伏線を回収しています。
伏線と言っていいのやら(笑)
ぜひ、私もその症状に悩まされたら実践してみたい‼
だがしかし、もう一つの健康法がヤバかった…。
人体実験が好きな私でもためらってしまう、究極の健康法『飲尿療法』
自分のおしっこを飲むなんて考えもしなかった。さくらももこさんの体験談は凄まじい‼この健康法を読むだけでも本書を買ったかいがありますよ!もちろん他の話も素敵ですが、『飲尿』のインパクトは強烈です。
Amazonの評価
さくらももこさんの『さるのこしかけ』は、Amazonの星評価4.5です!
ここでは、実際に本を読んだ方の感想を一部抜粋してご紹介します。
高評価レビュー
「いさお君」のお話にぐっときた
「もものかんづめ」も面白かったけど、「さるのこしかけ」はさらに面白かった。どこを読んでも面白いので寝る前に読む本にぴったり。「たいのおかしら」も読もうと思う。
A&M
「がんばらない」に一生懸命
新刊当時に読んだはずなのに、あらためて読んだら新鮮でした。
絶妙な文体と言葉のチョイスにズルズルと(グイグイではなく)引き込まれ、行間でキートン山田さんのツッコミが聞こえてきそうなユルユルぐだぐだ感。
毎日こんなにあくせくしなくてもいいんでない?と少し楽な気持にさせてくれました。「私はババくさい!」じゃなく、ホントに可愛らしいおばあちゃんになるまでエッセイを書いててほしかったと思います。
泣いて笑った。
小学生のころに凄く流行った、さくらももこシリーズ。大人になり全てを読破したく大人買いをして読みました。
ババチャン
あの頃読んだ時よりも想像力が増してるせいか凄く面白い作品ばかり。
あぁ分かる分かると共感出来る箇所も多々ありました。
笑いだけではなく感動の要素もあったなんて。
特殊学級の章は電車の中で鼻を赤くして泣いてしまいました。恥ずかしい…。
さくらももこさんの独特な文章は、緩く楽しめますよね。子供の頃読んだ印象と、大人になってから読んだ印象って本当に違うのも分かるなあ。あの頃はただ面白かっただけのはずが、話を深く理解できるからこそ、心にグッと来るものがありますよね!
特殊学級のいさお君の話を、他の方も同じ気持ちで読んでくれて嬉しいなあ。あの章はズルいよね。絶対泣かせに来てた。
ぜひ、三部作最後の、『たいのおかしら』も読んでみよう!
低評価も?その理由とは
インド
あそこまでインドを見下さなくても。。。と、少し引いたところもありました。なのでインドの話が印象深く残っています。でも、いつもの話の下りの感じが好きです。
さくらもち
もちろん、さくらももこさんの独特の視点ゆえに、賛否が分かれる部分もあります。
きっと、さくらももこさんの笑いを引き寄せる力が凄いだけですよ(笑)
たしかにこれを読んだら、インド旅行には行きたくなくなりますけど。でも旅行会社の方が頑張って乗り物代の交渉をするところが面白かったな~。その時の感情表現が上手。
インド旅行のストレスが凄すぎて下品なワードを出す場面も見どころです!
まとめ:【書評】さくらももこ『さるのこしかけ』
この記事では、さくらももこさんの『さるのこしかけ』の魅力や感想をご紹介しました。
忙しい日々のちょっとの時間に笑いと感動が欲しい方はぜひ読んでみてください。それと表には出ない『健康法』を知りたい方もぜひどうぞ!
