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【書評】逢坂 冬馬『ブレイクショットの軌跡』人生は自分で選んでいく

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【書評】逢坂 冬馬『ブレイクショットの軌跡』人生は自分で選んでいく

人は一日に何万回もの判断を迫られます。だからでしょうか?何かを選択するって疲れますよね。それに回数の多さだけでなく、就職や結婚、将来の夢など人生を左右するほどの重大な決断にはかなり負担がかかります。

今回紹介する、逢坂 冬馬さんの『ブレイクショットの軌跡』は、「選択の苦悩」にスポットを当てた最高の群青劇です。

この記事では、『ブレイクショットの軌跡』について以下のポイントを徹底解説します。

この記事で分かること

  • 本書はこんな人におすすめ
  • 本書を読んで感じた4つの魅力
  • Amazonなどの口コミ・評判

本書の魅力に触れることで、あなたの人生を自分で選んでいく後押しになることでしょう!

『ブレイクショットの軌跡』はこんな人におすすめ

  • 周りに流されがちで合わせることが多い人
  • 自分の人生を生きている感じがしない人
  • 何か大きな決断をする時がきた人
  • 読むと世界の見え方が変わるような群青劇が好きな人
  • 逢坂冬馬さんや『同志少女よ、敵を撃て』のファンの人

基本情報

作品情報

タイトル:『ブレイクショットの軌跡』

著者:逢坂 冬馬

出版社:早川書房

発売日:2025年3月12日

ジャンル:社会派エンタメ小説(格差社会、非正規雇用、特殊詐欺、LGBTQなどの様々な社会問題)、群青劇

著者情報

1985年生まれの日本の小説家です。

あの有名な『同志少女よ、敵を撃て』でデビューし、第11回アガサ・クリスティー賞や第19回本屋大賞、第9回高校生直木賞などを受賞しています。

父は歴史学者の奈倉哲三さんで、姉はロシア文学研究者の奈倉有里さんです。

あらすじ

あなたは自分の人生の選択から逃げていませんか?

自動車期間工の本田昴は、2年11か月という刑務所の刑期のような期間がようやく終了しようとしていた。最終日に、あまり仲が良いとは言えない同僚が、SUVのブレイクショットにボルトを落とすという重大なミスを発見する。遅くはなったが報告するべきか、このまま黙って穏便に終えていくか…。

この一台の車は、オーナーを変えながら、偽装修理に困る板金工、悪徳不動産会社の罠など、現代社会に渦巻く多様な人々の「選択」にスポットを当て、奇跡のように物語を繋いでいくこととなる。あなたの人生の決断を後押しする、群像劇の軌跡を目撃せよ。

主な登場人物

本作は、一台の車『ブレイクショット』を介して繋がる、多様な人々の群像劇です。各々が抱える「人生の選択」と「現代社会の課題」に注目して読むと、より深く楽しめます。

本田 昴(ほんだ すばる)

物語の起点となる自動車期間工の労働者。安定した未来と、自分が選ぶべき道との間で葛藤します。

後藤晴斗(ごとうはると)

後藤友彦の自慢の頭脳明晰な息子。ユースチームで霧山修吾と出会う。後に恋人のことや特殊詐欺で、とるべき『選択』や人生に悩みます。

後藤友彦(ごとうともひこ)

善良さが取り柄の板金工。裕福ではないが、自慢の息子や妻と共に幸せな毎日を送っていた。しかし、あることをきっかけに人生が大きく変化することとなる。

霧山修吾(きりやましゅうご)

後藤晴斗にサッカーの癖を見抜かれてから、才能が開花していく。修吾の家はタワマンで晴斗の家は都営住宅。格差はあるが、二人の仲は深まっていく。親の理解力のなさに『将来の選択』を悩む。

マネーゲームの参加者たち

現代の不確実な世界で一攫千金を狙う人々。投資詐欺などがテーマで多くの人の人生に関わっていく。

その他

他にも、悪徳不動産の社長や、紛争地域での少年たちの物語など、様々な背景を持つ登場人物が登場し、複雑な人間模様を織りなします。

【感想】本書を読んで感じた4つの魅力

登場人物が『大きな選択』を自らしていくことに感動

本書の登場人物はみな、『重大な選択』を迫られます。

現実には物語に出てくるような『大きな選択』は稀でしょうが、将来のことや結婚など人生の転機は誰しも訪れるものです。私だったらどうしようと思いながら読むことで、登場人物の決断に感動させられました。

だって、『選ばない』という選択だってあるはずです‼周りに流されることで、波風もたたないし、自ら選ぶ負担もなく、自分の今のポジションを守っていける。一見それもまた『良い選択』に思えますが、果たしてそうなのか?と疑問を投げかけられました。

自分が『選択』したことで、他の人に思いもよらない影響を与える可能性だってある。しかしそれは、自分が主体的に動かない理由にしてはダメ。いつだって自分が責任をもって『選択し行動』していかないといけないんだよ!というメッセージを受け取りました。

後藤親子の苦悩に心を揺さぶられた

ネタバレにならないようにお伝えします。

後藤晴斗と後藤友彦の親子には、本当に涙が出るほど感動しました。ここでのテーマは、『お金・障害・家族愛』だと思っています。特に善良が取り柄だと自ら言っていた、『後藤友彦』の変化です。

決して霧山家のようなお金持ちではありませんが、仕事も順調に進み、家族と順風満帆な生活を送っていました。それなのにまさかあんな事件が起きるなんて…。

それからは、晴斗も妻も大変です。もう、絶望という表現が合っているのかもしれません。読んでいて辛くなりました。

ですが、もう駄目かと思っていた父・友彦の変化は涙なしには読めません。晴斗の気持ちを考えて読んだらもう……。後藤親子には『闇と光』を感じさせられました。

散らばった物語の見事な繋がりに驚愕した

読み進めるうちに、なんでこんなに話がバラバラなの⁉と、若干のフラストレーションを感じていました(笑)

  • 最初の自動車の期間工
  • 海外の紛争地域
  • 不動産会社の不正
  • 特殊詐欺
  • 後藤と霧山家の親と子
  • バーの経営を夢見る夫婦など

確かに、登場人物一人ひとりの背景が物語に深みを与え、それぞれの物語として面白みがあります。

だけど、「急にどうした⁉」

と、場面の移り変わりに戸惑うこともありました。

最後の直前まで『こんなの繋がらないでしょう』と思っていましたが、裏切られた!

見事に、全部の話が繋がり思わず声が出るほど驚きました。

読み終わった後に、しっかりと自分の中で話を繋ぎ合わせ、著者のメッセージを受け取ることで素晴らしい物語だと思えました。

本書を読んだ方は、最後まで諦めないで読んで欲しい‼この小説は9割読むのと、10割読むのとでは全く受け取り方が変わるから‼

Audible(オーディブル)だと登場人物を覚えやすい

『ブレイクショットの軌跡』はAudibleの聴き放題対象なので、わたしはオーディブルで読みました。

本書の登場人物は、軽く10名を超えるのに対しナレーションは男性が一人だけ。

それなのに、声だけでどの登場人物かはっきりと分かります。こういう話って登場人物を初めに覚える必要性がありますよね。小説に慣れないと結構大変な作業です。しかし、声もヒントになりすんなりと登場人物を覚えることができました。

それに、声量や抑揚の緩急が上手で登場人物の喜怒哀楽が凄く伝わってきます‼

オーシャン
オーシャン

志気和馬が晴斗に言った本音には胸が締め付けられたな。
あのナレーションが心を揺さぶりました。

Amazonの評価

逢坂 冬馬さんの『ブレイクショットの軌跡』は、Amazonの星評価4.4でした。

ここでは、実際に本を読んだ方の感想を一部抜粋してご紹介します。

高評価レビュー

 独立したストーリーの帰結の仕方が素晴らしい

デビュー作が独ソ戦、続く二作目がナチスドイツ時代だったので、この作家はそういう欧米の戦争時代に対する関心が強いのかな、と思っていたところから、本作で突然、現代が舞台。

一作目から強いファンだったのでこれだけでも驚きだけど、前ニ作では極々自然な流れの中のエッセンスとして扱われていたLGBTQが今作では、SNS、Youtuber、NISA、非正規雇用、特殊詐欺、BigMotor事件と同種の保険金不正詐欺等々、時代を現す様々な用語と合わせて、全面的に軸になっているのも新鮮。
8つのそれぞれ独立したストーリーが見事にラスト集約されていく手法はすごく良い。
分厚い小説だけど、これほどまでに一気読みさせてくれた小説は、少なくとも2025年で最初。
直木賞候補になってます。ぜひ取ってほしい!

Tad0812

2025年No.1

577ページとかなりのボリュームで読むのに時間がかかると思いましたが、登場人物の個性がうまく描かれ、ストーリーも良く、一気に読み終えました。群像劇として伏線の回収も素晴らしかったです。これ絶対映像化されると思います。


ワッター

一番多かった口コミは、『伏線回収の鮮やかさ』でした。

物語やテーマの多さが挙げられていますが、わたしもここまで伏線を回収してくれると思いませんでした。

悪い評価にも注目

上手の手から水が漏れた作品

途中までは傑作
伏線を張りまくり見事に回収してます
しかし、それがダラダラ続くので切れ味が悪く
後味が悪く、化学調味料を使い過ぎた料理みたいになったのが残念です

スタビレ・オタク

反対に、伏線回収までの物語が長いという評判もありました。

確かに私もそう思ったのは事実です。ですがこの長さは、最後まで読むことで昇華されるんですよ‼

ぜひ、諦めずに最後まで読んで欲しいな。

もちろん合う・合わないはあると思いますが、この作品は最後の話で印象が大きく変わると思います!

まとめ:『ブレイクショットの軌跡』は人生を変える一冊

この記事では、逢坂 冬馬さんの『ブレイクショットの軌跡』の魅力や感想をご紹介しました。

ぜひ、『自分の人生の舵は自分で切りたい』と思っている方は一読ください。

きっと、自分で道を切り開く勇気をもらえます!

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