2024年の本屋大賞を受賞した「成瀬は天下を取りにいく」
成瀬の予測不能な行動と挑戦の数々に勇気がもらえる作品です。
この記事ではネタバレなしで、成瀬は天下を取りにいくの書評を書いていきます。
それでは紹介していきます！
【基本情報】宮島未奈/成瀬は天下を取りにいく
作品情報
2024年本屋大賞1位に選ばれました！
タイトル：成瀬は天下を取りにいく
著者：宮島未奈
出版社：新潮社
発売日：2023年3月17日
ジャンル：青春小説
著者情報
プロフィール
1983年静岡県生まれ。滋賀県大津市在住。京都大学文学部卒。
2023年「成瀬は天下を取りにいく」で小説家デビューする。
受賞歴
- 2018年「二位の君」で第196回コバルト短編小説新人賞を受賞
- 2021年「ありがとう西武大津店」で第20回「女による女のためのR18文学賞」で大賞、読者賞、友近賞のトリプル受賞
- 2024年「成瀬は天下を取りにいく」で本屋大賞を受賞
- 2025年「成瀬は信じた道をいく」で本屋大賞にノミネート
【あらすじ】宮島未奈/成瀬は天下を取りにいく
「島崎、この夏を西部に捧げようと思う」
この一言からさまざまな挑戦が始まります。
成瀬の行動はいつでも突拍子もなく普通ではないのです。
閉店が迫っている西武大津店を映すテレビに毎日映ろうとしたり、M1グランプリに出ようとしたり。
そんな彼女の行動は周囲を巻き込んでいきます。
【登場人物】宮島未奈/成瀬は天下を取りにいく
主に主要なキャラは主人公・成瀬あかりと幼馴染の島崎みゆきの2人です。
他にも本書に欠かせないキャラが出てくるのですが、ネタバレになるので控えます(泣)
成瀬あかり
本書の主人公で中2から物語が始まります。
小さい頃から何でも器用にこなす子。
だけどコミュ力に関しては不器用な印象を受けます。
ですので、小学校に上がるとそんな成瀬に妬む生徒が多く、あまり友人といえる人がいない環境でした。
本人はまったく気にしていない様子で我が道を行きます。
若干表情の変化に乏しく、淡白な印象を受けます。
ですが、「天下を取る」という壮大な目標を掲げて様々なことに挑戦する前向きな姿勢が魅力です。
島崎みゆき
成瀬あかりの幼馴染です。
成瀬の行動に振り回されながらも、いつも見方でいてくれます。
突拍子もない成瀬のブレーキ役であり最大の理解者です。
【見どころ】宮島未奈/成瀬は天下を取りにいく
唯一無二の主人公・成瀬あかり
成瀬あかりというキャラが非常に面白い！
一言でいえば「変わった子」
200歳まで生きると大真面目に言ったり、これはギャグなの？いや本気で言ってる。
みたいな感じも笑えます。
常に自分の信じる道を突き進む姿は、読む人に勇気と元気を与えてくれます。
青春小説としての魅力
物語は、成瀬と島崎の日常が中心に展開されます。
彼女らの友情や成長、葛藤が丁寧に描かれており、青春小説として堪能できます。
ユーモアと感動のバランス
成瀬の言動は時に笑いを時に感動を与えてくれます。
単なるコメディではなく、登場人物の心情や成長を丁寧に描きだすことで深い感動を与えてくれます。
地域性を活かしたストーリー
物語の舞台は滋賀県大津市であり、地元の風景や文化が物語に深く組み込まれています。
何を隠そう、著者の在住している地域なのです。
特に閉店が決まった西武大津店が物語の重要な舞台となっており、地域の人々の交流や思い出が感動的に描かれています。
【書評】宮島未奈/成瀬は天下を取りにいく
話のテンポが良く、キャラの魅力も伝わってきて非常に読みやすかったです！
キャラの個性や心情の表現が上手で自然と感情移入ができました。
成瀬は次にどんなことに挑戦するのだろうとワクワクさせられ、その内容に思いっきり笑わせてもらいました。
ですが‼
「ただ成瀬の行動が面白いだけの話ではない」ことを知って欲しい‼
何でも器用にこなせるけど、少し感情表現が苦手な成瀬。
そんな成瀬ですが、話が進んでいくたびに人間味が増していきます。
成瀬の人間味が増していく成長過程こそ、本書の一番の魅力だと思っています！
読み始めは面白いという印象でしたが、成瀬の成長に従って感動に変わっていきます。
島崎と同じで、最後まで成瀬を見届けたいという気持ちになりました。
読後感がすんごく良く、もう終わりなの⁉もっと成瀬を見ていたいと
成瀬ロスが凄かったです……。
成瀬の何にでも挑戦する行動力、人として成長する姿を感じることで、本書を読んでいる自分自身も挑戦する勇気をもらいました。
ちなみに続編もあります‼
う、嬉しいぃ‼‼
【おすすめな人】宮島未奈/成瀬は天下を取りにいく
成瀬は天下を取りにいくをおすすめな人は、
- 自己啓発書が好きな人
- 若者
- 夢を追いかけている人
だと思います。
それぞれ理由を述べていきます！
自己啓発書が好きな人
普段、自己啓発書を読む方に、成瀬は天下を取りにいくがおすすめです。
ただの小説でしょ？と思われるかもしれません。
その通り小説として物語を楽しめます。
ただそれだけではなく、主人公・成瀬あかりの真っすぐな心と行動力が、読者に気づきを与えてくれます。
前向きで行動派な彼女を見ているだけでモチベーションがあがります。
それだけではありません。
芯がある彼女ですが、①人の意見を真剣に聴き入れること②素直に認めることができます。
その性格もあって成瀬の成長は止まりません。
まるで何かのビジネス書の漫画版みたいではありませんか！
ぜひ、自己啓発書が好きな方にも「成瀬は天下を取りにいく」をおすすめします。
若者
将来のこと、同級生との人間関係に悩む学生にこそ読んでほしい1冊です。
成瀬あかりの
- 夢に向かって挑戦し続ける前向きな姿勢
- 周囲の目を気にしない様子
この姿を手本にできたなら、生きるのが楽になりますし、何より人生を楽しめると思います！
ぜひ、悩める若者に読んでもらい「いま」を楽しみ、将来をより楽しめるようになってほしいと思います‼
ちなみに34歳のわたしも楽しめたよ！
あえて若者限定みたいに言いましたが、
誰だって今が一番若いんです！
誰が読んだっていいんです。
いつだって何歳だって成長できますから。
夢を追いかけている人
夢を追いかけるすべての人に読んでほしいです。
叶えたい夢や希望は誰にでもあると思いますし、それを叶えるのはなかなかしんどいことですよね。
そんな時に大切なのは、挑戦し続けること！
成瀬も色んなことに挑戦して、種を蒔いていきました。
たくさん種を蒔けばどれか一つくらいは咲くものです。
それに咲かなかった種まきも無駄にはなりません。
あなたの大切な経験になるのです。
そんなことに気づかせてくれる本書を読んで、夢を叶えるまで走り続けましょう。
【まとめ】宮島未奈/成瀬は天下を取りにいく
この記事では「成瀬は天下を取りにいく」の書評をご紹介しました。
頭にスゥっと入っていく物語ですが、心には深く刻まれます。
笑いと感動で感情を揺さぶられるからこそ、思い出に残る作品になったんだと思います。
読後の成瀬ロス必至の「成瀬は天下を取りにいく」
ぜひ手に取ってみてください。
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