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【書評】浅倉 秋成『六人の嘘つきな大学生』二転三転の展開に目が離せない

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【書評】浅倉 秋成『六人の嘘つきな大学生』二転三転の展開に目が離せない

超難関IT企業の最終選考に集められた6人の学生が、たった1つの内定を巡り、それぞれの「嘘」と「罪」を暴き合う究極の心理戦!

2024年に実写映画化もされた浅倉秋成さんの傑作ミステリー『六人の嘘つきな大学生』をご紹介します。

二転三転する予測不能な展開と、爽快な伏線回収はミステリー好きにはたまりません。

本作はAudibleでも配信中。この記事で魅力を知った後は、活字でも「聴く読書」でも、このスリリングな世界へ足を踏み入れてみませんか?

基本情報

まずは、『六人の嘘つきな大学生』の作品情報と著者情報を詳しくご紹介します。

作品情報

タイトル:六人の嘘つきな大学生

著者:浅倉 秋成

出版社:KADOKAWA

発売日:2021年3月2日

ジャンル:青春ミステリー、就職活動、心理サスペンス

映画化:2024年11月22日に実写映画化

著者情報

浅倉秋成(あさくらあきなり)さんは、1989年生まれ、千葉県出身の小説家です。

ミステリー小説の天才で、巧みな伏線回収に緻密な構成力が輝る作家です。

本書、『六人の嘘つきな大学生』もまた、二転三転する話で、読者を翻弄してきます。

オーシャン
オーシャン

本書では悔しいほど著者の掌で転がされました。

伏線回収の鮮やかさを漫画で例えるなら『進撃の巨人』です。読んだことがある人なら、その伏線回収の衝撃が伝わるはず‼

他の代表作には、『俺ではない炎上』や『教室が、ひとりになるまで』があります。

本作の受賞歴

  • 2022年本屋大賞ノミネート
  • ブランチBOOK大賞2021受賞
  • 『このミステリーがすごい! 2022年版』(宝島社)国内編8位
  • 週刊文春ミステリーベスト10(週刊文春2021年12月9日号)国内部門6位
  • 「ミステリが読みたい! 2022年版」(ハヤカワミステリマガジン2022年1月号)国内篇8位
  • 『2022本格ミステリ・ベスト10』(原書房)国内ランキング4位

さらに‼2024年には浜辺美波さん等、豪華俳優陣で映画化されるなど、大人気な作品です。

あらすじ

誰もが憧れる急成長IT企業「スピラリンクス」の最終選考に残った6人の大学生。

課題は「チームで最高の成果を出すこと」。

協力し合い、全員で内定を掴もうと誓い合った彼らだったが、最終選考直前に告げられたのは「内定者は、たった一人」という非情な宣告だった。

そんな中、彼らの元に一通の「告発文」が届く。そこには、6人の誰かの「嘘と罪」が書かれていた。

一体誰が、誰を、何のために告発したのか? 疑心暗鬼に陥った6人による、犯人探しのディスカッションが始まる。

主な登場人物

波多野 祥吾(はたの しょうご)

グループの中で協調性を重んじ、周囲をまとめようと努める好青年。真面目で「普通にいい人」であろうと意識しているが、彼自身の内にも秘めた感情がある。物語のキーパーソンの一人。

嶌 衣織(しま いおり)

知的で洞察力に優れ、一見すると完璧な就活生。冷静沈着な印象を与えるが、時に強い信念を見せる。自身の過去に何かを抱えているようにも見える。

九賀 蒼太(くが そうた)

スマートな立ち居振る舞いで、要領の良い完璧主義者。リーダーシップを発揮する場面も多く、自信に満ちている。

袴田 亮(はかまだ りょう)

体育会系で明るく、グループのムードメーカー的存在。率直な性格で裏表がないように見えるが、その行動原理には複雑な背景が隠されている。

矢代 つばさ(やしろ つばさ)

華やかな容姿で、人脈作りや語学に長けている。一見おっとりしているようだが、実は計算高く、自身の目標達成のためには手段を選ばない一面も。

森久保 公彦(もりくぼ きみひこ)

秀才タイプで、理論的思考に長けた男性。寡黙で地味な印象だが、内定への執着は人一倍強い。その知識が思わぬ方向で試されることになる。

Amazonでの評価

浅倉 秋成さんの『六人の嘘つきな大学生 』は、Amazonのレビュー数8651件で星4.5と、話題性と人気性が非常に高いことが分かります。

口コミを一部抜粋してお伝えします。

ミステリ要素と人間ドラマ要素どちらもとても面白い。途中でパートが切り替わり、そろそろ終盤かなと思って確認するとなんとまだ中盤で、読んでいてとてもワクワクした。

心理描写がスリリング。どんどん引きこまれ
とても面白かった。

話が二転三転して引き込まれました。構成力が高いと思いました。読みやすいミステリーです。

読み応えはそんなになく、暇潰しに読むのには最適な読み物だった

口コミで多かったのは、やはりミステリーとしての構成力の高さでした。二転三転するワクワクする展開、爽快感ある伏線回収に、読後の満足度が高まっているようです。

中には、読み応えがあまりないという厳しい意見もありましたが、読みやすいミステリーであるとも言えます。

実際、読みやすく、最後までワクワクできたという声もあります。オーディブルで聴くと、読み終わるまでに9時間46分とボリュームがあります。このボリュームを最後まで楽しませる構成力はやはりさすがだと言えそうです。

3つの魅力|なぜこんなに面白いのか?

3つの魅力|なぜこんなに面白いのか?

本作が多くの読者を惹きつける理由を3つのポイントで解説します。

魅力①:二転三転する予測不能な展開

最大の魅力は、何と言っても先の読めないストーリーです。「犯人はこの人だ!」と思った次の瞬間には、新たな事実が発覚し、前提が覆されます。巧みに仕掛けられた伏線とミスリードに、最後までワクワクが止まりません。

魅力②:就活の「リアル」が生む圧倒的な没入感

グループディスカッション、自己分析、企業研究…。経験者なら誰もが「あるある!」と頷いてしまうような、就職活動のリアルな描写が満載です。

極限状態に置かれた学生たちの焦りやプライドが痛いほど伝わり、自分も7人目の選考参加者になったかのような緊張感を味わえます。

魅力③:暴かれる人間の「表と裏」の顔

「優秀な学生」という仮面の下に隠された、それぞれの弱さ、嫉妬、過去の過ち。

内定というたった一つの椅子を巡る争いの中で、人間の本性がむき出しになっていきます。単純な善悪では割り切れない、複雑な人間ドラマに深く考えさせられます。

【ネタバレなし】私の感想と評価

読者の予想を裏切る「嬉しい騙し」

正直に告白すると、私は6人全員を一度は犯人だと疑いました。

それでも、真犯人にはたどり着けませんでした。しかし、それは悔しさよりも「やられた!」という爽快感に満ちた体験でした。

この「気持ちよく騙される感覚」こそ、ミステリーの醍醐味だと改めて感じさせてくれます。

第一印象がいかに当てにならないかを痛感

私たちは、普段の生活でつい第一印象や短い会話だけで相手を判断してしまいがちです。本作を読むと、それがどれだけ表層的な理解に過ぎないかを思い知らされます。

登場人物たちの「表の顔」と、告発文によって暴かれる「裏の顔」。そのギャップに驚くと同時に、「人をもっと深く知ろうとすること」の大切さを教えられました。

これは、就活だけでなく、あらゆる人間関係に通じる普遍的なメッセージだと感じます。

映画版との違いと楽しむポイント

2024年に公開された映画版では、浜辺美波さんや赤楚衛二さんといった豪華キャストが集結し、大きな話題となりました。

映画は、小説の緊張感やスリリングな展開を映像で見事に表現しています。

一方で、小説では登場人物たちの内面的な葛藤や心情がより深く、細やかに描かれています。

おすすめは、「小説→映画」の順番で楽しむこと。小説で各キャラクターの背景をじっくりと理解してから映画を観ると、俳優陣の表情やセリフ一つひとつの意味がより深く味わえるはずです。

こんな人におすすめ!

  • 先の読めない展開にハラハラしたい人
  • 『何者』など、就活をテーマにした作品が好きな人
  • 人間の心理や裏の顔を描く作品に興味がある人
  • ただのミステリーだけでなく、感動や学びも得たい人

まとめ:【書評】浅倉 秋成『六人の嘘つきな大学生』ただの犯人当てではない、人間ドラマの傑作

今回は、浅倉秋成さんの『六人の嘘つきな大学生』を徹底的にご紹介しました。

本作は、巧みなミステリーとしての面白さはもちろん、就職活動というフィルターを通して、人間の弱さや強さ、そして「信じる」ことの尊さを描き切った傑作です。

読了後、あなたはきっと登場人物たちの誰かに自分を重ね、人間関係について深く考えることになるでしょう。

まだこの極上のミステリー体験をしていない方は、ぜひ手に取ってみてください。寝不足になること間違いなしです!

Kindle版で今すぐ読むもよし、Audibleでプロの朗読を聞きながら緊迫感を味わうもよし。あなたに合ったスタイルで、この世界に飛び込んでみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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