夕木春央さん著の『方舟』は2023年の本屋大賞にノミネートされ、様々なミステリーランキングにもランクインしています。
物語の構成力に圧倒されました。
予想だにしないとはこのこと…。
この記事では、夕木春央さんの、『方舟』の魅力と、読んだ後に私が感じたネタバレなしの感想をご紹介します。
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基本情報
作品情報
タイトル:方舟(はこぶね)
著者:夕木春央
出版社:講談社
発売日:2022年9月8日
ジャンル:ミステリー、サスペンス
著者情報
夕木春央さんは、1993年生まれの日本の推理作家です。
2019年「絞首商会の後継人」で第60回メフィスト賞を受賞しています。
2022年に本書「方舟」が瞬間文春ミステリーベスト10国内部門で1位を獲得しています。
さらに「方舟」は2023年の本屋大賞にもノミネートされています。
あらすじ
誰か一人を犠牲にすれば脱出できる‼
主人公の柊一は、大学時代の友人や従妹と共に、山奥に建てられた謎の地下建築「方舟」を訪れます。
そこで偶然、3人家族と出会い、ともに夜を過ごすことになります。
しかし翌朝、地震が発生し、「方舟」の扉は岩で塞がれてしまいます。
さらに地盤の異変により地下建築内に水が流入し始め、遠くない日に水没してしてしまうことが判明しました。
極限状態の中、脱出を試みますが、そこで殺人事件が起きます。
誰が何のために…
誰か一人が犠牲になれば助かるというこの状況で、死ぬべきなのは誰なのか。
誰もが口にしなくてもそんなの決まっている…。
疑心暗鬼が渦巻く密室空間で、殺人犯探しが始まります。
主な登場人物
矢野一家×⇒矢崎一家

矢崎一家と翔太朗以外は大学のサークル仲間です
柊一
本作の主人公で、語り手。
システムエンジニアとして働いている。
麻衣から時々、夫である隆平について相談を受けていた。
翔太朗
柊一の従妹。
職業不明だが、時々海外に行ってはお金を増やしてくる。
今回の大学の集まりには、柊一から来てほしいと頼まれ参加した。
頭が切れるようで、方舟内の事件で活躍する。
祐哉
お調子者で、今回の集まりを企画した張本人。
黙って別荘で楽しんでいればいいものを、「山奥でヤバいのを見つけたんだぜ」と皆を方舟に誘う。
隆平
ジムのインストラクターをしている。
麻衣の夫。
やや性格が荒っぽいところがある。
麻衣
幼稚園の先生をしている。
柊一とは一緒のサークル仲間であり、夫の隆平についてよく相談している。
花
さやかと仲が良く、地下建築に閉じ込められて方も彼女と行動を共にすることが多い。
OL。
さやか
柊一のサークルの後輩。
現在はヨガ教室の受付をしている。
矢崎幸太郎
電気工事士。
なぜか山奥で家族とキノコ狩りをしていて迷子になったと話す。
矢崎弘子
幸太郎の妻。
あまり発言は少なく、家族と行動を共にする。
矢崎隼斗
矢崎夫妻の子供。
高校1年生だがもう少し幼く見える。
柊一たちに警戒しているが、隆平のお陰でもっと警戒する。
おすすめポイント

密室空間での心理戦
方舟という地下建築は密閉されている。
この逃げ場がない状況での殺人事件、迫りくる水という緊迫した状況が見どころです。
全員が怪しく見え、疑心暗鬼になった登場人物らの心理戦にハラハラします。
登場人物たちの葛藤
登場人物たちは様々な過去や背景があります。
その葛藤が丁寧に描かれており、物語に深みを与えています。
シンプルに誰が犯人なのか
皆が死ぬかもしれないこの状況で、わざわざ人殺しをした人って誰か気になりますよね‼
人が減った分、地下に残る確率が犯人の可能性も上がるのに。
いったい誰が、どんな理由で犯行に及んだのでしょうか⁉
予想を裏切る衝撃の展開
緻密に計算されつくした伏線が、終盤で回収されます。
誰がこんなこと予想できたでしょうか。
ラストが圧巻でした。
この衝撃は一生忘れないでしょうね。
『方舟』を読んだネタバレなしの感想

はじめの印象は、あまり良くないものでした。
人気があるらしいけど、あらすじを読むと、何かありがちな話だな。
それに登場人物が多くて、あまり話が頭に入っていかない…。
こんな印象を持ちながら、読み進めることに。
読んでいくと、登場人物はそれぞれに特徴があって案外早く、作品に没頭できるようになりました。
初めに抱いていた悪い印象からのギャップが次々に生まれていきます。
「えっ」ここでこんな事が起きるの⁉
なんで…?
というような「驚き」と「謎」
そして、迫りくる水の「恐怖」
閉鎖された空間での「人間関係」、「生死」をかけたやりとり。
この場面ってこんな感じかな?と、想像するとさらに恐怖感が増します……。
ここまで予想できない展開に、驚かされていた私の分際でまだこんなことを考えていました。

まぁ結局こんな感じの終わりになるんだろうな
わたしの予想は何一つかすりもせずに読み終わりました。
本書の物語の構成力は半端なかった‼
全くありきたりな話ではない、極上のミステリー&サスペンスでした。
こんな人におすすめ

謎解きが好きな方
メンバーのうち一人が探偵のように推理していきます。
その人は読者のわたしにも考える余地を与えてくれます。
異常なこの状況、複雑な人間関係、あの道具…など考えるのが本当に楽しい‼
人間ドラマが好きな方
登場人物が多いので、それだけ人のドラマがあります。
ただ、友達と普通に集まって遊んでいるわけではない。
普通ではない、異常事態だからこそ生まれるドラマ。
とっても感情移入できました。
だからこそでしょう。
読者の私自身も、〇ぬならあいつがいいなと考えだしていました。
緊張感がある小説を読みたい方
異常事態に異常事態、また異常…。
なんでこんな時に⁉
水という物体の恐怖、人間の恐怖。
確実に分かるのはこの状況は自分たちの生死がかかっているということ。
メンバーの緊張感がひしひしと伝わってきます。
呉勝浩さんの『爆弾』以来の緊張感を味わえました。
予想できない展開を楽しみたい方
きっと私のように「よくある話の展開なんでしょ。」
と、高を括る人もいると思います。
確かに凄い賞を受賞している作品でも、なんでこの作品の評価が高いの⁉ってがっかりする時ってありますよね。
安心してください。
何一つ予想できないですから。
それと私個人的な感想ですが、納得いく予想できない展開でした♪
まとめ:あなたはすでに「えっ」と言っている
読むと思わず声が漏れ出ますよ‼
わたしは気づいたら「えっ⁉」って言っていました。
最後は衝撃×衝撃、超衝撃でした。
ミステリー&サスペンスが好きな方は、ぜひお手に取って下さい。

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