みんな知っている国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』は、作者・さくらももこさんがモデルだって知ってましたか?
本書『もものかんづめ』は、著者や家族のリアルな日常を面白おかしく描かれています。
「あのまる子に優しかったおじいちゃんはこんな人だったの⁉」という楽しみ方ができたり、著者の小さい頃から大人になってからのエピソードまで楽しめます。
ちびまる子ファンも、著者のファンも、多くの方が楽しめる内容です。
本書の魅力をネタバレなしでご紹介しますので、まだ読んだことがない方も安心してご覧ください!
※一部、本書内の名言を引用しています。
『もものかんづめ』の基本情報
作品情報
タイトル:もものかんづめ
著者:さくらももこ
出版社:集英社
発売日:1991年3月25日
ジャンル:ユーモア・エッセイ、自伝的エッセイ、文学
著者情報
さくらももこさんは、1965年5月8日生まれです。
静岡県清水市出身であり、ちびまる子ちゃんの舞台と同じですね!それも『ちびまる子ちゃん』は、ご自身の少女時代をモデルとしたコミックだからです。
本書の『もものかんづめ』の他、『さるのこしかけ』『たいのおかしら』というエッセイを刊行しており、全3部作となっております。
ちなみにさくらももこさんの代表作である、ちびまる子ちゃんは1990年にアニメ化され、現在までも人気な国民的アニメにとなっております。
本書の要約・全体像

さくらももこさんの『もものかんづめ』はエッセイですので、あらすじはありません。
著者のさくらももこさんが、子供の頃から大人になるまでに出会った個性的な人々を独特な着眼点で面白おかしく紹介しています。
また、その話が全て実体験であり、本書で紹介したことは体験してきたことのほんの一部だそうです。
ちびまる子ちゃんのあの家族も登場しており、物語の裏側の真実を楽しむことができます。
全体的に爆笑エピソード中心であり、読むと時間を忘れ電車時間におすすめですが、笑いを堪えきれなくなる可能性がありますので注意が必要です。
Amazonの評価

さくらももこさんの『もものかんづめ』はAmazonの口コミ件数1,030件で、星評価4.5とかなり高評価です!
読者の心を掴む高評価レビュー
ここでは、実際に本を読んだ方の感想を一部抜粋してご紹介します。
メルヘン翁
通勤時間が楽しいひとときになりました!
Amazon カスタマー
電車で笑いをこらえるのが大変でした(笑)
他のエッセイも読んでみたいです。
ちょっとの通勤時間でも、一つ一つのエピソードが短くて読みやすい構成になっています。
また、クスッと笑えるエッセイは憂鬱な通勤時間にぴったりの一冊ですね。
面白い
さくらももこさんの実際の体験が書かれたエッセイです。
A.Y
現実のおじいちゃんの事やヒロシの事など、とても面白く書かれています。
電車の中で読んでいて、笑いを堪えるのが大変でした。
やはり本書のキーはおじいちゃんとヒロシかもしれません!
この二人の面白さは衝撃でした。
電車時間におすすめですが、周りに注意ですね。
おすすめポイント

表現が逸脱!さくらももこの名言
この名言はさくらももこさんが女性週刊誌に、根も葉もない事を取り上げられたエピソードから出ました。
あやふやな根拠からムリヤリ創られる記事は、オナラに似ている。実体が無いのに臭いのだ。
さくらももこ | もものかんづめ
相当怒りが込み上げていたんだと思います。「週刊誌のオナラ」というエピソードでは、紹介した名言のような少し過激な表現を楽しむことができます。
これがあの大きくなった、まるちゃんが言っていると思うとかなり笑えます。
根拠がない週刊誌の記事を「実体が無いのに臭い」とは、例えが上手ですよね笑
電車で読んではいけない爆笑エピソード
『もものかんづめ』の9割は爆笑エピソードですが、色んな笑いを誘ってきます。
ネタバレを控えたいので、直接的な表現は避けますね。
普通なら決して笑えない悲しい場面を笑いに変えたり、思わず「えっ⁉」と驚く笑いがあったりと、一言でいうなら衝撃を受けます。
特に「メルヘン翁」と「意図のない話」は最高でした。
【これは反則】家族の温かさに思わずポロリ
先ほど本書の9割が爆笑エピソードと書きましたが、訂正します。
9割5分が爆笑エピソードです。
そして貴重な残り5%は感動。
私は本書のどこか1つのエピソードで思わず涙が出ました。
しかもそのエピソードがズルい‼
途中まで、他のエピソード通り笑いに包まれていましたが、急展開を迎えたのです。そのギャップが反則でしたね。
ぜひ、心揺さぶるエッセイをあなたも読んでみてください。きっとちびまる子ちゃんの見方が変わりますよ。
本書を読んだ感想

最初の入りだしからギャップに心を掴まれた
本書を読む前のさくらももこさんのイメージは、ちびまる子ちゃんでしかありません。
しかもまる子ちゃんはあくまで作品ですから、著者の方は意外と真面目な人なんだろう、と。
その思い込みで本書を読んだものですから、初めのエピソードから心を掴まれました。
あのまる子ちゃんが水虫⁉笑
それにお姉ちゃんのオキテの公布など、日常を爆笑に誘うあの文章力には脱帽です。
さくらももこさんの少し過激な表現や笑えない場面を笑わせる文章力が凄い
AIに止められるほど、この記事では紹介できない過激な表現があり、それが腹の底から面白い。「お腹がつりそうになる」という例え話が、本当になるとは思いませんでした。
ちびまる子ちゃんに登場するあのほんわかしたキャラの最後がまさかあーなるとは…。
姉が笑い転げている様子を、
コオロギのように笑い始めた。
さくらももこ | もものかんづめ
という表現も好きです。
想像すると笑わずにはいられません。
ちびまる子の家族の見方が変わった
『もものかんづめ』には、ちびまる子ちゃんはもちろん、まる子に激甘なおじいちゃんや、まる子に厳しい姉、小言が多い母、適当な父、おばあちゃんが登場します。
しかも、人柄(性格)が違う‼‼
ちびまる子ちゃんは、さくらももこさんの少女時代をモデルにしているとありますが、本当のキャラや人柄は少し変えているようです。
本書を読むことで、ちびまる子ちゃんのアニメを違う視点で楽しめるようになりました。
特におじいちゃんとお父さんの見方が、大きく変わったとだけお伝えします。
こんな人におすすめ

朝井リョウさんのエッセイが好きな人
本書の事を朝井リョウさんの「ゆとりシリーズ」で知った人もいるのではないでしょうか?
私もそのうちの一人です。
小説家の朝井リョウさんは、さくらももこさんを尊敬しており、いつか同じ三部作のエッセイを書きたい‼と思い、ゆとりシリーズの三部作を書き上げたそうです。
その作品でもさくらももこさんの作品が度々登場します。そして、表現の仕方にさくらももこさんの尊敬が現れているような気がします。
朝井リョウさんのゆとりシリーズが楽しかった人は、『もものかんづめ』も大いに楽しめますよ!
ゆとりシリーズが気になる人は、こちらの『時をかけるゆとり』の書評もご覧ください。
ちびまる子ちゃんの実話が知りたい人
長年、お茶の間で親しまれてきた『ちびまる子ちゃん』。
そんな国民的アニメだからこそ、その裏側を知りたくはないですか?
「あのキャラの本当の性格」「まる子から見た家族への想い」「友人たちについて」
様々な真実が見えてきますよ!
読んですぐ笑える本を探している人
「とにかく面白い本が読みたい」「気軽に読める本を読みたい」
そんな、読んですぐ笑える本を探している人に本書はおすすめです‼
各エピソードが短編でいくつもありますので、電車に乗っているときなど、ちょっと時間を潰したい時にも重宝します。
すき間時間に読んで、日々のストレスを発散してみてはいかがでしょうか?
まとめ:【書評】さくらももこ『もものかんづめ』

この記事では、さくらももこさんの『もものかんづめ』の魅力や感想、評判をご紹介してきました。
さくらももこさんの独特な着眼点や思想、そしてあの文章力が組み合わさった奇跡の爆笑エッセイをあなたもどうぞご覧ください。
きっと、苦痛だった通勤時間も時を忘れて楽しめるでしょう。
ここまで読んで頂きありがとうございました。